2012年07月31日 11:23
へルタースケルター_中村うさぎ
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こないだ、光文社の「美ストーリー」という雑誌の仕事で、美魔女さんたちにお会いしたのね。
タカナシの言う「多くの女性(普通とまでは言わないけど、美容外科やエステにかよっていたり、着飾っていたりする女性)」というのは、こういう人たちのことを指してるんだと思う。
そうね、確かに彼女たちにとって、第三者の欲望の対象となることは大切なんだろうな。
ただし、この場合、第三者と言うのは必ずしも男性に限らず、同性である女性たちの視線も彼女たちにとって大きな意味を持ってると思う。
つまり、同世代くらいの女たちの羨望や憧れの対象となることね。
「ヘルタースケルター」のりりこも、どっちかというと、異性よりも同性の「欲望の器」だった。
「りりことヤリたーい」という男性より、「りりこになりたーい」という女性たちが彼女の支持層だったはず。
これは、映画よりも原作に明確に描かれてるわ。
「美ストーリー」は「閉経後も元気に生きる秘訣」をテーマに私と美魔女たちとの座談会を企画したんだけど、おそらく雑誌や美魔女さんたちの期待に、私は全然応えられなかったと思うわ。
だってさ、「閉経しても美しくいたい」と願う彼女たちに、「一週間に一度しか風呂に入らない」とか「マ○コ洗うのが面倒くさいからセックスしたくない」とか、彼女たちの思い描く未来とはかけ離れたズボラな初老女の本音トークをぶちかましちゃったんだもの。
「こんな女にだけはなりたくねー!」と、編集者も美魔女たちもガッカリしたに違いないわね。
そう、私はこんなふうに、他人の期待を裏切るのが大好き。
というのも、他人が勝手な幻想で私という人間を形作ろうとするのが何より嫌いなの。
つまり、他者の欲望の器になるのがイヤなのよ。
「中村うさぎはこうあって欲しい」なんて、大きなお世話だわ。
中村うさぎは私なの。
私が中村うさぎを形作ってるの。
他人が勝手に私と言う人間を形作るなんて、おかしいでしょ?
でも、タカナシの言う「他者思う。ゆえに我あり」という自我を持つ女性たちは、他者の勝手な幻想に添って、いくらでも自分を形作れるのね。
てか、むしろ、他者にかたどってもらわなくては、自分を形作ることが不可能なのかしら?
そんな自我だと、確かに、他者の視線がなくなった途端にアイデンティティの危機に陥るのもわかる。
ただね、みんな、他者に必要とされたがり過ぎよ。
他者なんてアテにならないものに自分の存在意義を置いてると、どんどん苦しくなっていくわよ。
だって、永遠に自分を必要としてくれる他者なんて、この世に存在しないもん!
私もかつて、他者に必要とされることに大きな快感を見出していたわ。
だから、惚れた男に貢いだり、家なき子みたいな若者の世話をしたり、そういうボランティアの快感に夢中になってた。
でも今は、まったくその欲求が消えちまったわ。
たぶん、金を使い果たして気が済んだのと、他者ほどアテにならないものはないと諦めたんだと思う。
もしかすると今、この世で私を必要としてるのは、私しかいないかもしれない。
でも、それでいいわ。
私は、私が私を必要とする限り、私であり続けるわよ。
風呂にも入らずね(笑)。
タカナシクリニック
http://www.takanashi-clinic.com/
03-5366-8920
平日 AM11:00〜PM08:00
土曜 PM01:00〜PM07:00
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タカナシの言う「多くの女性(普通とまでは言わないけど、美容外科やエステにかよっていたり、着飾っていたりする女性)」というのは、こういう人たちのことを指してるんだと思う。
そうね、確かに彼女たちにとって、第三者の欲望の対象となることは大切なんだろうな。
ただし、この場合、第三者と言うのは必ずしも男性に限らず、同性である女性たちの視線も彼女たちにとって大きな意味を持ってると思う。
つまり、同世代くらいの女たちの羨望や憧れの対象となることね。
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これは、映画よりも原作に明確に描かれてるわ。
「美ストーリー」は「閉経後も元気に生きる秘訣」をテーマに私と美魔女たちとの座談会を企画したんだけど、おそらく雑誌や美魔女さんたちの期待に、私は全然応えられなかったと思うわ。
だってさ、「閉経しても美しくいたい」と願う彼女たちに、「一週間に一度しか風呂に入らない」とか「マ○コ洗うのが面倒くさいからセックスしたくない」とか、彼女たちの思い描く未来とはかけ離れたズボラな初老女の本音トークをぶちかましちゃったんだもの。
「こんな女にだけはなりたくねー!」と、編集者も美魔女たちもガッカリしたに違いないわね。
そう、私はこんなふうに、他人の期待を裏切るのが大好き。
というのも、他人が勝手な幻想で私という人間を形作ろうとするのが何より嫌いなの。
つまり、他者の欲望の器になるのがイヤなのよ。
「中村うさぎはこうあって欲しい」なんて、大きなお世話だわ。
中村うさぎは私なの。
私が中村うさぎを形作ってるの。
他人が勝手に私と言う人間を形作るなんて、おかしいでしょ?
でも、タカナシの言う「他者思う。ゆえに我あり」という自我を持つ女性たちは、他者の勝手な幻想に添って、いくらでも自分を形作れるのね。
てか、むしろ、他者にかたどってもらわなくては、自分を形作ることが不可能なのかしら?
そんな自我だと、確かに、他者の視線がなくなった途端にアイデンティティの危機に陥るのもわかる。
ただね、みんな、他者に必要とされたがり過ぎよ。
他者なんてアテにならないものに自分の存在意義を置いてると、どんどん苦しくなっていくわよ。
だって、永遠に自分を必要としてくれる他者なんて、この世に存在しないもん!
私もかつて、他者に必要とされることに大きな快感を見出していたわ。
だから、惚れた男に貢いだり、家なき子みたいな若者の世話をしたり、そういうボランティアの快感に夢中になってた。
でも今は、まったくその欲求が消えちまったわ。
たぶん、金を使い果たして気が済んだのと、他者ほどアテにならないものはないと諦めたんだと思う。
もしかすると今、この世で私を必要としてるのは、私しかいないかもしれない。
でも、それでいいわ。
私は、私が私を必要とする限り、私であり続けるわよ。
風呂にも入らずね(笑)。
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Posted by takanashi_clinic at
11:23
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